中央区には事業所が約4万社あります。そこで働いている人は72万人に上ります。商売が上向きになればこの72万人の人が幸せになれます。私の役目は中央区の企業や働く人が幸せになるお手伝いをする事です。
起業、廃業、倒産、第2創業、バブル、事業承継、相続、これら全てを事業の現場で体験した屈指のコンサルタント「岩田剛三」が体験を通して感じた商売や生き方のコツを皆さんにお話しします。

 最近ブランディングって言葉よく聞きますね。ブランドをINGするって事ですが…。 ブランドの価値を高める事ですね。日本語に直すとブランドは広い意味で「看板」とか「暖簾」の事ですから、ブランディングは看板の価値を高める、世に広く知らしめ一人でも多くの人に暖簾をくぐってもらうという事でもあります。ブランディング、実は日本でも古くから行われています。例えば戦国時代、豊臣秀吉の千成り瓢箪や徳川家の葵の御紋なんかはブランディングしていましたし、水戸黄門の「この紋所が見えぬのか!」この一言で通じるほど紋がブランド化されていた訳です。また、武田信玄は風林火山という考え方をブランディングしていました。危ない団体関係でも映画で「**組の看板が泣くぜ!」なんて台詞を聞くとこの方達もブランディングしてるんだなと妙に感心したり…。最近では企業が一生懸命やっていますね。企業そのものより商品をブランディングするケースも多々あります。自動車会社などは、例えばトヨタも日産も以前は「カローラ」とか「サニー」という商品をブランドにしていました。あと、ゼロックスはコピー機=ゼロックスというブランディングをして成功しましたね。欧米の高級車メーカーは企業そのものをブランディングして成功していますので、最近はその流れになっています。例えばBMWやベンツは会社名をブランドにしましたので商品が全て記号か数字で良いのです。C320とか、525Iとか。ルイヴィトンは看板(ロゴマーク)をブランドにしました。商品をブランディングする場合は商品にサイクルがある場合は要注意です。自動車会社でも前述のサニーなんかは役目を終えて消えた商品ブランドです。その辺に気付いてトヨタは「レクサス」という高級ブランドを一つ作りその下に記号で商品を並べたりしています。

 

 さて、中小企業が具体的にどうやってやるか?と言いますと…。例えば、飲食店ですと毎日暖簾を出す。看板に電気を付ける。これを続ける事です。何年でも何十年でもやり続ける事です。この同じ事をやり続けるというのがブランディングの基本です。短期間で作られたブランドは流行と紙一重で弱いです。後はマークのデザインとかもありますがそれは二の次。長年に渡り看板を挙げていられるのは、飲食店だったら美味しいから、デザイン事務所なら売れる素敵なデザインをしてくれるとか、アイデンティティーに関わる事がちゃんと出来ているって事です。あとは露出回数を増やすのです。貴方のお店やマークをありとあらゆるところに露出です。お金をかけるのではなく、例えば伝票や請求書を送る封筒や領収書にマークや店名を入れておく。そうして人の記憶に少しずつ入り込んでいくのです。***庵の看板を見たらよだれが出る、つい予約してしまう。今度パンフレットを作るならあのデザイン会社にしょうとか思ってもらう訳です。もっと進むと他の蕎麦屋の看板を見ただけで、貴方のお店のお蕎麦が食べたくなる。ここまで行けばしめたもんです。看板やロゴマークを作る時の注意点を一つ。読みやすい、見やすい事、伝わりやすい事が結構重要です。成功している企業の字体はとても単純で見やすいです。貴方が明日やる事は自分のお店や会社の看板をまず磨く事です。明後日もその次の日も、その次の日も…。そうすると貴方のお店の明日が少しずつ見えてきます。

 

  新緑がとても綺麗な季節となりました。これから一雨降るごとに街は春から夏へと衣替えです。この時期になると、私は何故かバーに行きたくなります。仕事は早めに切り上げて、黄昏時リバーサイドのBAR、少しずつ夜の帳が下りてきます。徐にモスコミュールを飲みながら賑わいを増す街のネオンサインを眺めていると、ツカツカツカとヒールの音。振り返ると絶世の美女が向こうから歩いて来ます。真っ直ぐに私の方へ、そして私の前に佇み微笑んで手を広げて私の胸に飛び込んで……。

夢?夢?夢!夢!夢?……でした。皆さん、飲み過ぎには注意しましょうね。(笑)因みにモスコミュールは銀座のルパン商会がとても美味しいです。ここは18時に看板に灯が灯ります。

 

 

このコラムを読んで頂いた貴方と貴方の大切な方に、幸せが一杯しかも上質な幸せが一杯きますように…。

 

 


  
 
copyright 2004 Tokyo Chuo Bissiness Navi All Rights Reserved.