中央区の通りを歩く 第24回中央通り(後編)

第24回では、中央区内を通る中央通りについて、通り沿いの日本橋と日本橋室町界隈などをご紹介します。


橋詰の広場から見た日本橋

日本橋から見た日本橋川。
江戸時代にはこの川沿いに魚河岸が広がっていました

日本橋の発展は、日本橋魚河岸の活況に始まります。『中央区三十年史』によると、江戸時代には、日本橋川に沿って並んだ多くの店で、鮮魚や干物、塩肴、鰹節などが販売されていたそうです。魚河岸がスタートした時期は、天正18年(1590)または慶長17年(1612)とも言われています。さまざまな地方から魚商人が集まり、当時の本小田原町(現在の室町一丁目、本町一丁目付近)や本船町(現在の室町一丁目付近)を中心に店を出し、瞬く間に魚河岸が広がっていきました。
以後、江戸の中心地として発展した日本橋は、現在、銀行や証券会社、有名百貨店、老舗などが多く集まり、人々の往来が絶えない商業地となっています(日本橋の詳細については江戸のまちづくり・日本橋周辺をご覧ください)。



交差点から日本橋方面を臨む

7 八重洲通りとの交差点

第5回・八重洲通りでも訪れた同交差点は、交通量が多く、人や車が行き交う賑やかな場所。周辺では古いビルの建て替え工事や東京駅の建て替え工事が進められ、重機を動かす音が響いていました(八重洲の詳細については江戸のまちづくり・八重洲界隈をご覧ください)。


通り沿いの店は夜になるとライトアップされ、雰囲気は一変


交差点から新川方面を臨む

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さくら通り

8 さくら通りとの交差点

さくら通りは東京駅の八重洲北口から茅場町まで、さくらの街路樹が続く通りです。今はごく普通の細い道路ですが、春になれば、通りの上空をたくさんの桜が埋め尽くします。交差点周辺には老舗の百貨店や書店、茶舗などが軒を連ね、日中はサラリーマンや買い物客で賑わっています。


交差点から茅場町方面を臨む


交差点から日本橋方面を臨む

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交差点から日本橋方面を臨む。写真奥の高架下が日本橋

9 日本橋交差点

永代通りと中央通りが交差する日本橋交差点。交通の要所であり、交差点周辺は銀座四丁目交差点と同じくらいの人と車であふれています。周辺には、コレド日本橋や老舗の飲食店も多くあり、昼時ともなれば、多くのサラリーマンやOLがお店の前に長蛇の列をつくります。


交差点から大手町方面を臨む


コレド日本橋の裏にはランチもできる広場があります

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10 日本橋

日本橋の橋上中央には「日本国道路元標」がありますが、通りの交通量が激しく、近づいて見ることはできません。そのため道路脇に元標のレプリカが設置されています。年に一度、夏に行われる日本橋橋洗いでは、道路とともにこの元標を磨くのが、毎夏の風物詩になっているそうです。


日本橋



日本橋から日本橋室町方面を臨む

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おもしろ発見 その4【左右の路地にもまた風情あり】

日本橋室町一丁目にさしかかると、左右に多数の店舗が建ち並ぶ小路を発見しました。この通りは、中央通りと昭和通りを結ぶ『むろまち小路』。通りの入口には、通りの名が記された石柱が建っています。
小路沿いには、うなぎ屋やそば屋、書画材料店、喫茶店、佃煮屋、練り物屋などの老舗が並び、また途中で通りを曲がれば、割烹料理店やカレー屋、イタリア料理店などの飲食店が多数軒を連ねています。その様子は、まさに「賑やか」の一言。 むろまち小路からは、いくつもの細い路地が左右に伸びています。その小さな空間を眺めていると、路地裏でかくれんぼやおいかけっこをして遊んだ子どもの頃を思い出し、ふと笑顔になる……むろまち小路にはそんな懐かしさと温かさが溢れていました。



むろまち小路


通りの名が記された石柱。
向かいの建物が映り込んでまるでビルのように見えました


小路から延びる路地


ひと昔前の長屋のたたずまいを感じさせる路地裏

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11 江戸桜通りとの交差点

日本橋から江戸桜通りとの交差点までの通り沿いは、中央区を代表する繁華街。三越や三井本館など、歴史的な建造物が醸し出す荘厳華麗な雰囲気が魅力の観光スポットでもあります。また、周辺には、佃煮店や海苔店、刃物店などの老舗で買い物を楽しめるほか、新旧さまざまな飲食店が立ち並び、ランチやディナーのお店選びには事欠きません。


三越と三井本館の間を通る江戸桜通り


日本橋室町二丁目界隈

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13 江戸通りとの交差点

第11回・江戸通りでも訪れた同交差点付近は、地方銀行が数多くあります。全国の都道府県のカラフルな銀行の看板があちこちに掛かっていました。その光景から、近くに日本銀行があり、この場所が日本の金融業の中心地であることを改めて実感しました(日本橋室町の詳細については江戸のまちづくり・日本橋室町界隈をご覧ください)。


交差点から大手町方面を臨む


地方銀行の看板が目立つ中央通り沿い

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おもしろ発見 その5【町名から知る日本橋の街と歴史】

日本橋本石町や日本橋室町、日本橋本町など、日本橋界隈では町の成り立ちや特徴を物語る地名が、職業(人形町、馬喰町など)や土地利用法(小網町、蛎殻町など)などで誰でもわかりやすく付けられたそうです。
日本橋本石町は米穀商が集まっていたことから、日本橋室町は京都室町の名を移したという説と、土蔵(室)が並んでいたという説があります。日本橋本町は家康が最初に地割を行った場所で、主要な場所だったことを示した町名だったそうです。地名を見て、江戸時代に思いを馳せるのも日本橋散策の醍醐味です。
日本橋本石町の日銀通りを一歩裏へ入ると、日用雑貨の小さな商店やスーパーなどが並ぶ庶民的な一角があり、日本銀行周辺の歴史的な景観とのあまりのギャップに驚かされました。


日本橋本石町の袋小路


雑貨店やスーパーなどが並び
庶民的な雰囲気の日本橋本石町界隈

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