中央区には事業所が約4万社あります。そこで働いている人は72万人に上ります。商売が上向きになればこの72万人の人が幸せになれます。私の役目は中央区の企業や働く人が幸せになるお手伝いをする事です。
起業、廃業、倒産、第2創業、バブル、事業承継、相続、これら全てを事業の現場で体験した屈指のコンサルタント「岩田剛三」が体験を通して感じた商売や生き方のコツを皆さんにお話しします。

 雨が続きますが皆さんお元気でお過ごしですか。今月は日報についてお話しますね。日報と言っても営業日報や作業日報や様々な日報がありますが、ここでは主に営業日報についてお話します。「営業日報」の正しい書き方ってあるのでしょうか。どれを持って正しいというかは、各々の会社によって要求する数字や情報が違いますから一律にこれが正しい日報です、という事は出来ません。ある社長は数字を欲しがるだろうし、数字は別のルートで把握するので数字以外の情報が欲しいという人もいるでしょうから。また、その会社の営業形態によっても違って来ます。特に受注産業と見込み産業では情報の種類や数字の優劣が当然変わって来ます。(受注産業というのは注文を受けてから作る仕事です。代表的なのは印刷業や機械産業当たりですかね。必ず見積もりを出します。対して見込み産業というのは見積もりを出しません。アパレルとか家電がそうです。)

 

 受注産業は注文を受けて初めて仕事が来るということになるので、発注する会社や発注担当者の情報がとても大事です。担当者が変わって発注が来なくなったりもしますので、営業日報にはお客様が何を言ったか、お客様のところで何を見たか、なんていう情報がとても必要です。何を見たかの情報には得意先の雰囲気(人事異動情報をいち早く掴む)やライバル他社の動きも含まれます。例えば私だったら、日報に得意先のA社とB社に行ったらライバル社Z商事の納品車や営業マンを見たという情報が書いてあったとします。それならA社とB社に対してZ商事の主力商品の見積もりを市場価格より安く出したら面白いなと考えたりします。ただ、そんな事をやっても消耗戦になるだけなので実際にはお勧めしませんが、逆にZ商事にやられると困るので私はA社とB社に拘わらずどこに納品しているか判らなくする為に、納品車には看板を一切付けませんでした。相手が知らない間に得意先を拡大して行く為の作戦です。


 見込み産業の場合はライバル社の動向も重要ですしお客様の動向も重要ですが、何というのかな、「お客様の反応」が重要だったりします。それと数字がどう噛み合っているか。新製品を積み上げて見たら売上げはどうか、その商品を手に持ってみるお客さんは多いのか?実際に売れているのか?売り場のレイアウトを変えたらどうなったのか、動線が変わったのか?その結果売上げがどうなったか?飲食店なら新メニューを頼んだお客様は満足してくれたのか?等々お客様の反応を知る事が重要なんですね。ですので、ハガキとかで「お客様の声」を集めるなんてのもとても大切な事です。お客様の声を上手に集めて、そこからアイデアを膨らませて新製品を作るなんて事も出来てしまいます。


 受注産業も見込み産業も最後は売上(利益)なので、売上げをもたらしてくれるのは「お客様」ですから、常にお客様の方を向いている事が最重要です。ここまで書くと賢明なる読者の方はお気づきの事と思いますが、冒頭で正しい日報の書き方はないと言ったのですが実はあるのです。営業マンが何をしたかよりお客様が何を言ったか、そういう情報が必要です。見込みの商売も受注の商売もここは一緒なのです。正しい日報とはお客さんの情報を書く欄があるかどうかです。お客様に言われた事、お客様のところ(お店)で見た事聞いた事等々表現は少し違っても欲しいのは「お客様の情報」です。お判り頂けましたでしょうか?早速日報に欄を作って見て下さい。そして社内を見渡して見て下さい。お客様より上司のご機嫌を伺っている人ばかりいませんか?一人位ならまだしもあっちにもこっちにもいたらやばいです!


 雨の季節、公園の紫陽花がとても綺麗です。雨で萎れるのではなく咲き誇る感じが何か全てを楽しむ大人、いや大人の恋と言う感じがしませんか。(笑)今日は少し蒸し暑い天気です。こんな日は銀座のバーでモスコミュールを飲んでから帰りますかね。


貴方と貴方の大切な方に貴重な情報が沢山集まります様に…。


平成27年 文月

 

  
 
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