中央区には事業所が約4万社あります。そこで働いている人は72万人に上ります。商売が上向きになればこの72万人の人が幸せになれます。私の役目は中央区の企業や働く人が幸せになるお手伝いをする事です。
起業、廃業、倒産、第2創業、バブル、事業承継、相続、これら全てを事業の現場で体験した屈指のコンサルタント「岩田剛三」が体験を通して感じた商売や生き方のコツを皆さんにお話しします。

 

 いつの間にか涼しくなっちゃいましたね。着ようと思っていた夏服が箪笥に入ったまま越冬しそうですね。夏バテしていませんか。元気でお過ごしですか。

 

 さて、今月は価値観についてお話しますね。生きて行く上で価値観を持つのは結構重要な事なのです。価値観が違うと言って離婚したりする例もある位ですから。では価値観を持つと何がいいのでしょうか。価値観を持つ人は持たない人より、目的を達成したり目標に近づくのがより早くなるのです。そうですよね。物や行動の価値に優先順位が付いているのですから決定が早い。身近な例では例えばランチに行きます。私はランチは内容よりスピード重視なので、麺か丼です。そうすると、行く店も絞られて来るので決めるのが早いです。何人かで食事に出て、意見が割れた時に困るのは「私、何でもいいの。」という人、価値観を持っていないので、決められない。時間がかかる。例えば恋愛の例ですと「私は彼氏はお金持ちの人に限る。」この人はお金に価値を求めた訳で、良い悪いは別として彼氏候補の輪がぎゅっと絞られるのでやはり選択が早い。ただ、恋愛の場合は相手がいる事ですから難しいのはご存知の通りです。経験談?(笑)


 それでは価値観を持つという事を会社に振り替えるとどういう事でしょう。私は会社に取っての価値観は「方針」を持つという事だと思っています。価値観=方針と置き換えて見て下さい。会社のアイデンティティーは決まっているとして、それに沿って細かいところまで方針を決めておくと、やはり目標に近づく、または達成するのが早いと思います。例えば営業に関する方針、「当社は既存のお客様を死ぬほど大切にする。」と決めてあれば、営業活動の詳細も自然に決まって行きます。訪問先を10軒回るとしたら、既存客を死ぬほど大切にするのですから10軒全て既存客でもいい訳です。更にこの10軒にランク付けをしてAランクは週に3回訪問する、Bランクは週に2回訪問、Cランクは週に1回訪問する、こんな事が自然に決まってきます。方針も何もなくただ営業に行ってこいというと、既存客はクレームの時だけ行って、新規客を取ろうとあちこちアポを取ってその挙句既存客に逃げられたりします。その他、例えばご近所付き合いの方針として「地元のイベントには惜しまず極力協力する。」と決めてあれば、町会のお祭りにはお金も人手も出すという事になりますし、反対に「ご近所付き合いは程ほどにする。社会貢献活動は****を通じてのみする。」と決めても良い訳です。「退社時の方針として机の上には電話機とパソコン以外は置いてはいけない。」とかもありです。方針はどこまで細かく決めればいいかというと細かく決めておいた方がいいです。話が早いですから。ただしあまりにも細かいと社員が窮屈になって離職率が高くなったりもしますので、ここは社長や役員さんのバランス感覚が物をいいます。方針を決めるのはとても重要ですが、その企業のアイデンティティや使命が決まっていなかったりふらついていると、方針がぶれたり矛盾したりします。挙句の果ては某電気メーカーみたいに決算だけ数字を作ろうと粉飾決算で誤魔化したりしてしまいます。まずは使命や目標をはっきりさせる、そこに早く行きつく為に価値観や方針を持つ。この順序を忘れないで下さい。



 閑話休題 季節は巡りはや初秋、虫の声がチロチロと。9月という月は真夏の名残がある中で、一陣の涼風が涼しさと共に寂しさも運んでくる。ふっと心に穴があきそうになる、そんな不思議な月です。季節の交差点と言えるかも知れません。暑い日や涼しい日が交互に訪れ体調を崩しやすい月でもあります。どうぞお身体に気を付けて元気にお過ごし下さい。そして貴方や貴方の大切な人の使命、天命が一日も早く見つかり、幸せな毎日が過ごせます様に心よりお祈り申し上げます。

 

平成27年 長月

 

  
 
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